慢性子宮内膜炎でお悩みの方に
慢性子宮内膜炎とは、感染症や子宮内の細菌バランス(子宮内フローラ)が乱れたことにより子宮内膜の基底層と呼ばれる深い部分にまで炎症が起こっている状態を言い、子宮内膜症のような自覚症状はあまり見られないため(大半が無症状)気づきにくい疾患の1つです。
ー不妊症のリスクとしては?
着床障害や流産の原因になるトラブルとしてここ最近注目されており、不妊女性の約30%が罹患していると言われており不妊症の検査として子宮内の炎症を確認する「子宮鏡検査」がメジャーになってきています。
特に、高度不妊治療において複数回移植しても全く妊娠しない方などは内膜のコンディションが移植失敗の原因ではないかと言われており子宮の因子を調べるため、着床に適した時期を調べる「ERA(着床の窓)検査」と共に子宮内基底層の細菌(病原菌)を調べる「ALICE検査」、子宮内の善玉菌・悪玉菌のバランス(腸内フローラ)が乱れていないか細菌バランスを調べる「EMMA(子宮内膜マイクロバイオーム)検査」と呼ばれる3大検査があります。
これら検査によって慢性子宮内膜炎と診断された場合は、抗生物質の投与や子宮内フローラを整えるプロバイオティクスのサプリなどを用いて子宮内環境を整えます。
ー漢方薬での対応
中医学では子宮内膜症と同じく、子宮内に炎症を起こしている状態や免疫についての視点から整えるように考え、子宮内膜症でよく使う漢方の他に、「清熱解毒」と呼ばれる涼性(冷ます性質)の漢方を服用することもあります。基本的に専門病院にて抗生剤などの治療を受けるため、重複するような事はせず次回のタイミングや移植周期に向けて体調を整えるようにサポートするようにしています。