習慣性流産・不育症でお悩みの方に | 神戸:女性のための漢方相談「漢方侑備堂」

習慣性流産・不育症でお悩みの方に

妊娠は成立するものの流産や死産を2回以上経験することを「不育症」と呼びます。
その中でも、流産を2回以上繰り返すことを「反復性流産」、3回以上繰り返すことを「習慣性流産」といい、流産は妊娠の10~15%に見られるトラブルです。




ー習慣性流産・不育症の原因

1)染色体異常(自然流産胎児のうち約80%が染色体異常といわれます。)

妊娠初期の流産の大半は受精卵の染色体異常と言われ、何度も繰り返す場合は流産後の絨毛、胎児組織に対して染色体検査(POC検査)を行う場合もあります。高齢妊娠ほど、この染色体異常の割合が高くなると言われています。

2)抗リン脂質抗体症候群(APS)

自己免疫疾患の1つで、「抗リン脂質抗体」と呼ばれる自己抗体(自身に対して異物と勘違いし反応してしまう抗体)が出来ることで血液が固まりやすくなり、血栓ができてしまいます。この血栓が胎盤の血管にできる(胎盤梗塞)と胎児への血流が阻害されてしまい、習慣性流産の原因となります。
西洋医学では、血液検査によってこの疾患が判定された場合は「アスピリン」や「ヘパリン」などの薬物治療を行う事で流産を予防します。

3)甲状腺機能低下症

甲状腺機能は、「黄体機能」や「卵子の育成」に関係していると言われ、甲状腺機能低下の場合、流産リスクだけでなく「排卵障害」「受精率の低下」などの原因になるともいわれます。
そのため不妊治療ではTSH>2.5mIU/Lの場合、甲状腺ホルモンの補充治療を行うことが多いようです。

4)その他:子宮形態異常、ホルモン異常、夫婦染色体異常、感染症、内科疾患など。




ー漢方での対応

一言で流産といっても上記のように

  • ホルモン値や卵子や精子、受精卵などの発育に問題がある場合
  • 子宮内膜が薄い事や抗リン脂質抗体症候群など受け皿である「子宮内膜」に問題がある場合

など、個々によって原因は様々です。
まず病院での検査結果で判明した原因がある場合はそれに対応しながら、良い受精卵を作り元気な胎児を育てられるよう、月経リズム・基礎体温・おりものの状態などを参考に

  • 「五臓六腑」でいう「腎」を整える漢方を服用する
  • 冷えやストレス、生活習慣による「瘀血(血流が悪い状態)」を改善する漢方を服用する
  • 月経周期が長かったり内膜が育ちにくい場合は「血虚(血が不足している状態)」を改善する漢方を服用する

など、流産を繰り返さないための環境作りに役立つ漢方を継続し、妊娠の準備をします。

その後妊娠反応があった場合は中医学でいう「安胎薬(あんたいやく)」と呼ばれる、流産や切迫早産などを予防するための漢方を安定する時期まで継続していただくようにアドバイスしています。




ー参考サイト

神戸市:不育症治療支援事業(所得制限あり)

神戸市:不妊に悩む方への特定治療支援事業(所得制限あり)

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