最近では「瘀血」という言葉がメジャーになり
「血液がドロドロの状態」
「肩こりや頭痛・生理痛は瘀血」
「冷え性は瘀血の原因」
などを理解している女性が増えてきました
今回は不妊症に関係する「瘀血」について解説します
中医学では「女子以血為本(女子は血(けつ)をもって本と為す)」
という言葉があり、「血を増やす」「血流を良くする」など血液をしっかり整えて初めて女性機能が正常に働くという考えがあります。
女性の瘀血に多い原因として・・・
「血虚(けっきょ)」→血が不足すること
「陽虚(ようきょ)」→冷え症、冷たい飲食で体を冷やす
「気滞(きたい)」→ストレス、緊張
などがあり、瘀血が長引くことで
生理痛だけでなく・・・
☑子宮筋腫
☑子宮内膜症
☑チョコレート嚢腫
☑多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
などの疾患を発症することも。
瘀血は原因別で漢方をチョイスする事が多いのですが、その他妊活においては
・基礎体温表
・月経の量や質&痛みのレベル
・不妊治療の計画
などをチェックする事で瘀血の漢方を選択する事もあり、漢方選びは複雑です
↑ちなみに「瘀血」の治法は「活血(かっけつ)」と言い、血流を良くする漢方を
「活血薬(かっけつやく)」
と呼びます。
不妊症や婦人科疾患でよく使われる活血剤には・・・
・温経湯(うんけいとう)
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
・芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)
・血府逐瘀丸(けっぷちくおがん)
・田七人参(でんしちにんじん)
・冠元顆粒(かんげんかりゅう)
などがあり、それぞれ特徴があるためタイプをしっかり見極めたうえで使う様にしています(注意事項としては妊娠の可能性がある時期や妊娠期には使えない漢方も多いです。)
さらに月経痛があっても月経過多の場合は過度に血流を良くすると出血が増えるリスクもあるため経血が多いタイプの使い方には注意が必要です
使うには注意も多少必要ですが、しっかり継続したり上手に活用する事で病状が軽減したり痛みが緩和されるなど効果も出やすく、また不妊症で妊活をしている方は「瘀血タイプ」をしっかりケアすることで妊娠力を高める効果もあり子宮や卵巣のコンディションを整えたい方には必要な漢方だと感じます
当店の症例でも子宮筋腫の方が自然妊娠出来たり、子宮内膜症の酷い生理痛が改善され鎮痛剤などを使わずに快適に月経期を過ごせるようになったなど良い報告が沢山上がっています
また、不妊治療の場合は子宮内膜症やチョコレート嚢腫が悪化するとピルやホルモン剤を使って生理を一定期間止める治療を余儀なくされる事も多いため、なるべく未然にケアしてスムーズな妊娠に繋がれるよう計画的に体を作りましょう